生理による不快な蒸れや臭い、経血の漏れやナプキンの取り替えは多くの女性がわずらわしさを感じる問題です。最近よく耳にするようになった「吸水ショーツ」は、生理時の負担を軽減してくれるとして近年注目を集めています。
しかし、実際に使ってみたくても「経血が漏れそう」「衛生面が心配」などの不安を感じる方も多いでしょう。
今回は、吸水ショーツについての説明やメリット・デメリット、吸水ショーツの上手な使い方についてご紹介します。
吸水ショーツは話題の「FemTech(フェムテック)」商品
FemTech(フェムテック)とは、「Female(女性)」と「Technology(技術)」の単語を組み合わせてつくられた造語です。女性特有の生理や出産、更年期障害などを、テクノロジーを用いてサポートする製品やサービスのことを指します。
日本で有名なフェムテック商品やサービスには、吸水ショーツ以外にも、生理予測や妊娠をサポートするアプリが有名です。
吸水ショーツってどんな商品?
吸水ショーツは、クロッチ(股)部分に吸水シートなどの素材を重ね合わせることで、ナプキンやタンポンを使用しなくてもショーツ自体が吸水できるように作られています。
構造は商品やメーカーによって異なりますが、主に防水シートや吸水シート、保水シートなどが使われています。
吸水ショーツは、生理期間を快適に過ごせるだけでなく、洗濯すれば繰り返し使用できるのが特徴です。
吸水ショーツのおすすめポイント
生理時にナプキンを使用している場合には、外出先に取り替え分を持っていったり、定期的にトイレに行きナプキンを取り替えたりしなければなりません。また、体質によっては肌に痒みやかぶれを感じたり、冷えに繋がるとも言われています。
そのため生理期間中は、いつもより仕事や勉強に集中できずにストレスを感じる方も多いでしょう。
ナプキンの使用は女性にとって、このような手間や負担がかかってしまうものです。吸水ショーツは生理用品のバックアップに、ナプキンとの併用によって、生理期間中のさまざまなストレスも解消してくれます。
こちらでは吸水ショーツのおすすめポイントを3つご紹介します。
ナプキンなどを替える頻度が減る
吸水ショーツを穿くことで、ナプキンなどの交換頻度を減らすことができます。吸水ショーツはクロッチ(股)部分に吸水機能があるため、さまざまな漏れに対応しています。
漏れの心配が少ない時期であれば1日中吸水ショーツだけで過ごすこともできるため、こまめにトイレへ行けない時や、忙しい方にはうれしい生理用品ではないでしょうか。
また吸水ショーツを併用することでナプキンやタンポンの使用量が減り、ごみの削減に繋がります。洗って繰り返し使えるため環境に優しく、サステナブルな点も魅力です。
ファッションに影響しない
吸水ショーツは「そろそろ生理がはじまりそう」という時でも気軽に穿いて準備しておけます。そのため、漏れによる汚れを気にせずにファッションを楽しめるのがポイントです。
お出かけやデートなどの際に、万が一生理になった時のことを考えて、お気に入りの洋服を着ていけなかったことはありませんか?吸水ショーツは生理前後の不安な時にも、通常のショーツと同じように穿いておけば安心です。
また、製品によってはおしゃれなデザインや、ヒップの形をきれいに見せてくれるものもあります。吸水ショーツを着用すれば、生理を気にせず軽やかな気分で過ごせるでしょう。
漏れる心配を軽減する
吸水ショーツは、クロッチ(股)部分に吸水機能があるため、さまざまな漏れに対応しています。
また、吸水ショーツ自体にも漏れにくい設計がされているのも特徴です。クロッチ部分だけではなく広い範囲にまで吸水体がついているものや、ショーツの四方をしっかりとガードして脇漏れを防止しているものなど、吸水ショーツにはさまざまな工夫がされています。
なかなかトイレに行けずに漏れてしまう心配や、運動や日常動作などでナプキンがズレて漏れる心配が減るのはうれしいポイントでしょう。
生理用吸水ショーツのデメリット3つ
吸水ショーツは生理時のわずらわしさや不安を減らせるアイテムとして注目されています。
一度使うと、その後も使い続けたいと感じる女性は多いのですが、吸水ショーツに慣れるまでにはデメリットに感じてしまう点もあるようです。
こちらでは、初めて吸水ショーツを使う方のためにチェックしておきたい点をみていきましょう。
洗濯に手間がかかる
吸水ショーツを洗濯する時は、洗濯機に入れる前に水やぬるま湯につけ置きし、手で押し洗いする必要があります。そのため人によっては手間を感じてしまうこともあるでしょう。
毎回洗面台で手洗いするのがめんどくさいと感じる方は、お風呂に入る時に一緒に洗ってしまうのがおすすめです。体を洗っている間に吸水ショーツをつけ置きしておき、お風呂から出るタイミングで押し洗いしてそのままネットに入れて洗濯機へ入れましょう。
日常のルーティンに組み込むことで、「手間」になりにくくなるかもしれません。
【お手入れ方法】
1.水、もしくはぬるま湯に30分程度つけ置きし、その後やさしく押し洗いをして汚れを落とします。
2.デリケートな素材を保護するため、ネットに入れて洗濯機で洗います。
3.吸水面が表になるように裏返し、つるして干しましょう。
【注意点】
・つけ置きをする際は、かならず水か40℃以下のぬるま湯を使用しましょう。
・生地を痛める原因となるため、強い力でこすり洗いしないようにしましょう。
・製品の品質を保つために、乾燥機や柔軟剤、漂白剤の使用は避けましょう。
・湿ったまま長時間放置すると、臭いや雑菌が繁殖する原因になるため、洗濯後はすぐに干して、しっかりと乾かしましょう。
健康管理がしにくい
吸水ショーツのクロッチ(股)部分は黒などの暗い色であることが多いです。経血やおりもの、尿などを直視しなくていいメリットもありますが、どれくらい吸収されているか、色や臭いはどうかなどを確認しづらいデメリットがあります。
そのため、デリケートな時期の体調の変化に気づきにくい可能性があるのです。
また、人によって経血やおりもの、尿漏れの量などには個人差があります。1枚の吸水ショーツをどれくらいの時間穿いていられるか把握できるまでは、生理用品と併用し、不安が少ない日から試し穿きしてみるのがおすすめです。
普通のサニタリーショーツより高額
吸水ショーツは1枚あたりの価格が高いため、デメリットに感じてしまう方もいるでしょう。
吸水ショーツは1枚あたり2,000〜8,000円程度のものが多く、洗い替えを購入することも考えると普通のサニタリーショーツを買うよりも出費が多くなります。
しかし吸水ショーツは吸水量が多く、繰り返し使えるため、長い目で見れば経済的でエコなアイテムでもあります。
製品によっては冷えからお腹まわりを守る保温性能や、ヒップの形をきれいに見せてくれる構造を備えたものもあるため、値段以上の価値を感じることもできるでしょう。
吸水ショーツのデメリットや不安を解消するポイント
生理用品との併用で漏れの心配やナプキンを取り替える手間がはぶける吸水ショーツですが、使い慣れた生理用品を急にやめるとなると不安ですよね。
こちらでは吸水ショーツに不安を感じる方のために、使い方や製品選びのポイントについてご紹介します。
漏れが不安な時は生理用品と併用する
吸水量が多いとされる吸水ショーツでも、一日中吸水ショーツだけで過ごすのは心配な日もありますよね。そのような日には、生理用品と併用して使うのがおすすめです。
たくさんの水分を吸収した吸水ショーツを長時間交換できないと、快適に過ごせず衛生面も気になります。吸水ショーツと生理用品を併用することで、不快な蒸れや漏れの心配が減るため安心です。
またナプキンによる肌の負担やかぶれが気になる方は「サニタリーパッド」を使ってみてはいかがでしょうか。吸水ショーツに比べて吸水量は低いものの、蒸れや臭いを抑えリーズナブルな価格が魅力です。気軽にフェムテック商品を試したい方や、吸水ショーツと合わせて使いたい場合にも適しているでしょう。
臭いが不安な場合は制菌(抗菌)素材を選ぶ
吸水ショーツを選ぶ際には吸水性能以外にも、制菌(抗菌)素材が使われているかどうかも注目したいポイントです。
嫌な臭いは黄色ブドウ球菌が繁殖することで発生するとされています。制菌(抗菌)素材や加工されている製品を選ぶことで、防臭効果を期待できます。
【まとめ】吸水ショーツは生理中の女性の悩みを解決する強い味方!
「フェムテック」製品は生理のような女性特有の性や健康に関する悩みを技術で解決しようと生まれました。吸水ショーツは高い吸水量を備えているため、こまめにトイレに行く手間や漏れの心配を減らせます。
また、洗って繰り返し使用できるため、エコでサステナブルなアイテムといった点も注目したいポイントです。
お腹の冷えを予防する保温性能や、ヒップの形を整えてくれる効果がある製品もあるため、お気に入りの吸水ショーツを見つけられれば試してみる価値はありそうですね。
漏れの不安がある方は、ナプキンやサニタリーパッドなどの生理用品をうまく併用して自分にぴったりの使い方を探してみましょう。